人間の体の中には、褐色脂肪細胞と呼ばれる細胞がある。脂肪細胞などという名前が付いているので
何となくいやな印象をもたれる方もいるかもしれないが、実はこの細胞、体にある脂肪をエネルギーにして
燃やしてくれるという、贅肉を一刻も早く落としたい私のような者にとっては、ぜひともフル活用したい細胞である。
褐色脂肪細胞の主な働きは、体温を維持すること。体内でエネルギーを消費して、体温を上げる役割を
果たしてくれている、ありがたい細胞なのである。この褐色脂肪細胞がきちんと働いてくれないと、体温が
下がってしまうのだ。
また、褐色脂肪細胞は、余分な栄養をエネルギーに変えてどんどん消費させてくれるので、多少食べ過ぎた
としても、この褐色脂肪細胞が活発に働いてくれれば、太りにくくなる。
なぜ脂肪細胞が脂肪を燃焼させるかというと、褐色脂肪細胞の中には前述した若返り物質『ミトコンドリア』
がたくさん含まれているためだという。
褐色脂肪細胞をたくさんもっているのは赤ちゃんで、大人になるとだんだん少なくなっていくのだそうだ。
基礎代謝が低下して以前と同じ量食べても太った、なんていう場合、褐色脂肪細胞の減少も一因となっている
かも。赤ちゃんは、寒かったら上着を着る、暑かったら脱ぐなどの調節を自分でできないため、常に一定以上の
体温を確保する必要があるため、褐色脂肪細胞の量も大人以上にたくさん必要なわけだ。
大人でも、褐色脂肪細胞の多い人や働きが活発な人は太りにくいといわれている。低体温の人などは、
この褐色脂肪細胞の働きが悪いか、数自体が少ない可能性があるだろう。
褐色脂肪細胞の量を増やすには、成長期、せめて10代までに、しっかりと必要な栄養をとって、細胞の量を
増やすことだ。成長期に食べ過ぎると肥満になるかもしれないが、痩せたいからといって10代で極端な
食事制限をしてしまうと、必要な細胞も増えず、褐色脂肪細胞も増えないため、大人になってから太りやすい
体質になりかねない。
また、褐色脂肪細胞の量を増やすのではなく、褐色脂肪細胞の働きを意図的に活発にすることもできる。
褐色脂肪細胞は、体の決まった部位、首の周辺、肩甲骨周辺、脇の下、腎臓の周囲などに集まっている。
褐色脂肪細胞が集まっているこれらの部位を刺激することによって、褐色脂肪細胞の働きが活発になり、
痩せやすくなるというわけだ。
褐色脂肪細胞を活性化させる方法のひとつとして、効果が高いのは、水泳。水の中に入ると体温が奪われて
いくために、体温をあげるために褐色脂肪細胞が脂肪を燃焼させるからだ。
また、褐色脂肪細胞を直接冷やすという方法がある。首の周りや肩甲骨周辺など、褐色脂肪細胞が集中して
いる場所に冷水とかけるというものだ。
ただしこれは、お風呂などでいきなりその部分に冷たい水をかけたら心臓に負担がかかるし、夏ならともかく、
下手に冬になんぞやってしまって風邪をひいたら困るし、やるのであれば、試してみたい方は自己責任で
お願いします。
冷水と温水を交互にかけるというやり方でも効果はあるようだ。あと、サウナのあとに水風呂に入るのも効果的
だとか。
さて、わざわざそんな寒い思いをしなくても、褐色脂肪細胞を活性化させるエクササイズもある
(え?それを早く言えよって?)。
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